目次
EC担当者の整理
EC担当者の役割と定義
EC担当者とは、自社のECサイト(ネット通販)を運営し、売上を伸ばすことを担う役割です。
商品を売るためのサイト作りから集客、顧客対応まで、EC事業に関わる幅広い業務を受け持ちます。
大切なのは「サイトの管理者」ではなく、「EC事業を成長させる人」だということです。ページを更新するだけが仕事ではなく、どうすれば売上が上がるかを考え、施策を立案・実行し、結果を検証していく。
これがEC担当者のコアな役割です。
Web担当者との違い
「Web担当者」と「EC担当者」は似ているようで、担う範囲が異なります。
Web担当者がコーポレートサイトやオウンドメディアを中心に扱うのに対し、EC担当者は受注・在庫・物流・CS(顧客サポート)まで事業の川上から川下に関わります。つまりEC担当者の守備範囲は、より広く、かつビジネスの数字に直接つながっています。
EC担当者が抱える業務の全体像
EC担当者の業務は、大きく「集客」「接客(サイト内体験)」「顧客育成」「運営管理」の4つの領域に分けられます。
この4つが有機的につながってはじめて、ECサイトは成長します。
次のセクションで、それぞれの具体的な仕事内容を見ていきましょう。
EC担当者の仕事内容【9の業務】
1. ECサイトの運営・商品登録・在庫管理
EC担当者の日常業務の土台となるのが、サイトの運営管理です。
商品情報の登録・更新、価格や在庫数の管理、バナーやページの更新など、地道ながら欠かせない作業が続きます。
自社EC(Shopifyなど)とモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング)では管理画面や運用ルールが異なるため、それぞれの特性を把握しておく必要があります。
2. Web広告の運用・管理
新規顧客を獲得するための主要な手段が、Web広告です。
リスティング広告(Google・Yahoo!)、ディスプレイ広告、SNS広告(Meta・Instagram・TikTokなど)など、チャネルによって特性が異なります。
EC担当者として大切なのは、広告の細かな設定より「ROAS(広告費用対効果)」や「CPA(顧客獲得単価)」を軸に費用対効果を正しく評価できる目を持つことです。
代理店に任せる場合でも、レポートを読み解き指示を出せるレベルの知識は必要です。
3. SEO対策・コンテンツ制作
広告は費用がかかり続けますが、SEOはストック型の資産です。
商品ページの最適化やブログ・コラムを通じた情報発信により、検索エンジン経由の集客を増やしていきます。
「この商品を探している人がどんなキーワードで検索するか」という顧客視点がSEOの出発点です。
即効性はありませんが、中長期的に安定した集客基盤をつくる施策として重要です。
4. SNS運用
Instagram・TikTok・X(旧Twitter)などのSNSは、商品の認知拡大やブランドへの共感づくりに効果的です。
投稿のクオリティや頻度はもちろん、どのプラットフォームにどんな層がいるかを理解した上で運用することが大切です。
インフルエンサーとのコラボや、UGC(ユーザー投稿コンテンツ)の活用も、EC売上に直結する施策として注目されています。
5. メルマガ・LINE配信(CRM)
新規顧客を獲得するより、既存顧客にリピートしてもらうほうがコストは安く、利益率も高くなります。メルマガやLINEを活用したCRM(顧客関係管理)は、LTV(顧客生涯価値)を高めるために欠かせない施策です。セグメント配信(購買履歴や属性で対象を絞る)や、ステップメールによる育成シナリオの設計が、リピート率向上のカギになります。
6. アクセス解析・データ分析
EC担当者は「感覚」ではなく「データ」で意思決定することが求められます。GA4やヒートマップツールを使ったサイト分析に加え、モール管理画面の販売データ、広告レポートなど、複数のデータを横断して読み解く力が必要です。「どのページで離脱が多いか」「どの商品が何経由で売れているか」を把握することが、次の施策につながります。
7. UI/UX改善・CVR最適化
集客ができていても、サイトで買ってもらえなければ意味がありません。商品ページのレイアウト、カートページの導線、スマホでの見やすさなど、ユーザーがストレスなく購入できる体験を設計するのもEC担当者の仕事です。CVR(コンバージョン率)を0.1%改善するだけで、売上が大きく変わることもあります。ABテストを活用して仮説を検証する姿勢が大切です。
8. 年間販促計画・プロジェクト管理
EC事業は、年間を通じたイベントカレンダーに沿って動きます。年末商戦・バレンタイン・母の日・サマーセールなど、ピーク時期に向けた準備をいかに計画的に進めるかが、売上の天井を決めます。スケジュール管理・予算管理・目標数値の設定と追跡、そして社内関係部署(物流・CS・開発)との調整など、マネジメント能力が問われる業務です。
9. 外部パートナーの選定・管理
広告代理店、制作会社、システム会社、ECコンサルタントなど、EC担当者は多くの外部パートナーと協働します。適切なパートナーを選び、目的・KPI・スケジュールを明確に伝えて動いてもらう「ディレクション力」が求められます。丸投げは成果が出にくく、介入しすぎると双方の負担になります。良いパートナーシップを築くことが、EC事業加速の大きなカギです。
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EC担当者が現場で直面するリアルな悩み
悩み① 1人で全部やるのは、構造的に無理がある
集客・制作・分析・CRM・外注管理……EC担当者の業務は、どこまでも広がっていきます。しかも「ネットのことはよくわからないから、あとはよろしく」と社内から丸投げされるケースも多く、気づけば膨大な業務を1人で抱えている状態になりがちです。
残業でカバーしようにも、施策の効果が出るまでには時間がかかります。頑張っているのに成果が見えにくく、消耗だけが積み重なる。
そんな状況に陥っているEC担当者は、決して少なくありません。
📋 こんな状況になっていませんか?
- 新しい施策を考える時間が取れず、日常業務だけで1日が終わる
- 広告・SEO・SNSのどれも中途半端になっている気がする
- 「何から優先すべきか」がいつもわからない
悩み② 社内に相談できる人がいない
EC専任担当者が社内に1人だけ、というケースは非常に多いです。困ったときに気軽に聞ける先輩もなく、上司に相談しても「それはあなたに任せているから」と返ってくる。孤独に判断を迫られる場面が、日常的に続きます。
さらに、経営層や他部署からは「なぜ売上が上がらないのか」とプレッシャーをかけられる一方、EC事業の複雑さへの理解は得られにくい。努力が正当に評価されないもどかしさを感じている担当者も多いのではないでしょうか。
📋 こんな状況になっていませんか?
- 施策の方向性が合っているのか、誰にも確認できない
- 代理店の提案が正しいのかどうか、判断する自信がない
- 成果が出ないとき、原因が自分なのか施策なのかわからない
悩み③ 知識・情報のキャッチアップが終わらない
EC・デジタルマーケティングの世界は変化が速いです。Google・Metaのアルゴリズム変更、楽天の新施策、SNSの新フォーマットなど。
昨日まで正しかった知識が、今日には古くなっていることもあります…。
本業をこなしながら最新情報をインプットし続けるのは、現実的にかなりの負荷です。
「勉強しなければ」という焦りだけが積み重なり、気持ちばかり焦って手が動かない、という状況になりがちです。
📋 こんな状況になっていませんか?
- セミナーや記事を読む時間がなく、情報が半年以上古いまま
- 代理店の担当者の話についていけないことがある
- 新しいツールや施策を試したいが、学習コストを考えると踏み出せない
悩み④ 外注しても、期待した成果が出ない
人手が足りないから代理店や制作会社に依頼したのに、成果が上がらない——そんな経験をしたEC担当者は多いはずです。原因の多くは「丸投げ」にあります。目的・ターゲット・KPIが曖昧なまま発注すると、外注先も動きようがなく、的外れなアウトプットが返ってきます。
かといって、すべてを細かく管理する時間もない。外注を使いこなすためのスキルや経験が担当者側にも求められる時代になっているのですが、それ自体がまた一つの大きな業務になってしまうという悪循環があります。
📋 こんな状況になっていませんか?
- 代理店から届くレポートの数字の意味がよくわからない
- 制作会社に発注したページが、売れる気がしないデザインで上がってくる
- 外注費がかかっているのに、費用対効果を社内で説明できない
EC担当者が知っておくべき基礎用語
EC現場では独特の略語が飛び交います。最低限これだけ押さえておけば、社内外での会話がスムーズになります。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| CVR(コンバージョン率) | サイト訪問者のうち、実際に購入した人の割合 |
| CPA(顧客獲得単価) | 1件の注文を獲得するためにかかった広告費 |
| ROAS(広告費用対効果) | 広告費に対して何倍の売上が生まれたかを示す指標 |
| LTV(ライフタイムバリュー) | 1人の顧客が生涯を通じてもたらす売上・利益の総額 |
| AOV(平均注文単価) | 1回の注文あたりの平均購入金額 |
| SKU(在庫管理単位) | サイズ・カラーなど品番ごとの在庫管理の最小単位 |
| D2C(Direct to Consumer) | メーカーなどが中間業者を介さず直接消費者に販売するビジネスモデル |
| フルフィルメント | 注文から配送・返品対応までの一連の物流プロセス |
| CRM(顧客関係管理) | 顧客データを活用してリピートや満足度向上を図る取り組み |
| UGC(ユーザー生成コンテンツ) | 購入者によるSNS投稿・レビューなど、ユーザーが自発的に作ったコンテンツ |
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EC運用はプロと組むのが成果への近道
EC担当者1人では限界がある理由
ここまで読んでいただいてわかる通り、EC担当者に求められる業務は非常に幅広く、かつ深い専門知識が必要な領域が複数あります。広告・SEO・CRM・データ分析・UI改善……これらをすべて1人で高いレベルでこなすのは、現実的ではありません。
大切なのは、「全部自分でやること」ではなく「全体を正しく把握した上で、得意な外部パートナーに任せること」です。担当者がEC事業全体の舵取り役に集中できる環境を作ることが、結果として売上の最大化につながります。
外部パートナーに頼むべきタイミング
以下のような状況が続いているなら、プロの力を借りることを検討してみてください。
広告費をかけているのに売上が伸びない。SEO対策をしているのに検索順位が上がらない。リピート率が低く、新規獲得コストが下がらない。施策を試してはいるが、何が効いているかわからない——こうした「頑張っているけど成果が出ない」状態は、外部の専門家の視点が入ることで突破口が見えることがほとんどです。
EC事業を伸ばしたい、でも何から手をつければいいかわからない、という方はぜひお気軽にご相談ください。現状の課題を整理するところからお手伝いします。
まとめ
EC担当者の仕事は、広告・SEO・SNS・CRM・データ分析・プロジェクト管理と、非常に幅広い領域にまたがります。「全部を完璧にこなさなければ」と思うと、どこかで必ず詰まってしまいます。
大切なのは、EC事業全体の流れを理解した上で、優先順位をつけて動くこと。そして自社のリソースだけで賄えない部分は、信頼できる外部パートナーと組むことです。一人で抱え込まず、得意なプロと役割分担することが、EC事業をスムーズに伸ばす最短ルートです。
「うちのEC、このままでいいのかな」と感じていることがあれば、まずは現状を整理することから始めてみましょう。

よくあるご質問
まずは「現状把握」です。
アクセス数・CVR・CPA・リピート率など基本指標を整理し、どこがボトルネックになっているかを特定することが先決です。
集客が足りないのか、サイト内で離脱されているのか、リピートされていないのかによって、打つべき施策はまったく異なります。施策より先に、数字を読む習慣がつくと業務が非常に効率的になります。
それは多くのEC担当者が直面するリアルな課題です。
すべてを内製化しようとせず、広告・制作・分析など専門性の高い領域は外部パートナーに任せることを検討してください。
担当者は事業全体の方向性を決め、チームメンバーが動きやすくなる環境構築に集中することが、EC事業を効率よく伸ばす近道です。
「何から外注すべきかわからない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。


