ECサイトの法人取引に向いた業界とは?BtoB・大口注文が伸びやすい特徴を解説

最終更新日:2026.01.21

売上改善

自社ECサイトで安定した売上を確保したいと考えたとき、法人取引(BtoB)は有力な選択肢のひとつです。
しかし、「うちの商材は法人向けに向いているのだろうか?」「Shopifyのようなプラットフォームで本当に対応できるのか?」と迷っている事業者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ECサイトでの法人取引に向いている業界の特徴や具体例を整理し、自社商材が法人EC化に適しているかを判断するためのポイントを解説します。

BtoCとは異なる法人取引の特性を理解することで、今後の販路拡大や業務効率化のヒントが見つかるはずです。

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ECサイトで法人取引を行う企業が増えている理由

近年、BtoC向けのECサイトを運営してきた企業が、法人取引の導入を検討するケースが増えています。その背景にはいくつかの共通した課題と変化があります。

BtoC ECの成長鈍化と広告費の高騰

BtoC向けのECサイトでは、広告費の高騰やCVR(コンバージョン率)の頭打ちが深刻化しています。
新規顧客の獲得コストが年々上昇し、リピート率を高める施策にも限界を感じている事業者は少なくありません。

こうした環境のなかで、法人取引は「継続的な取引」「高単価な注文」「安定した売上」という魅力を持つ販路として注目されています。

法人取引の旧来型スタイルからの脱却

従来、法人取引は営業担当者による訪問や電話・FAXでの受注が中心でした。
しかし、発注側の企業でも業務効率化やペーパーレス化が進み、「オンラインで発注したい」「過去の注文履歴を確認したい」といったニーズが高まっています。

受注側にとっても、電話対応や手入力作業の負担は大きく、人手不足の時代には見過ごせない課題です。

中小企業でもBtoB ECが現実的に

ShopifyをはじめとするECプラットフォームの機能拡充により、中小企業でも法人向けのEC構築が現実的になりました。

会員ごとに価格を変える仕組みや、掛け払いへの対応、見積機能の実装など、以前は大規模なシステム開発が必要だった機能も、アプリや設定の組み合わせで実現できるようになっています。

つまり、法人取引のEC化は「大企業だけのもの」ではなく、むしろ中小事業者こそ営業リソースを効率化し、取引先との関係を強化する手段として有効なのです。

法人取引ECに向いている業界の共通点

法人向けECが機能しやすい業界には、いくつかの共通した特徴があります。自社商材がこれらの条件に当てはまるかどうかを確認してみてください。

繰り返し購入される商材

法人取引では、一度取引が始まると定期的に同じ商品が発注されるケースが多く見られます。消耗品や資材など、業務で継続的に使用される商材は、EC化によって再注文の手間を大幅に削減できます。

ロット・ケース単位での購入が基本

業務用途では、個人向けのような1点単位ではなく、ケース・箱・ロット単位での購入が一般的です。こうした大口注文に対応しやすい在庫管理や配送設計が整っている場合、法人ECとの相性は良好です。

SKU・規格がある程度決まっている

商品の型番や規格が明確で、オンライン上で選択・検索しやすい構造になっていることも重要です。完全なオーダーメイドや毎回仕様が変わる商材よりも、カタログ化できる商品の方がEC化しやすい傾向にあります。

取引条件が法人ごとに異なる

法人取引では、取引先ごとに価格や支払条件が異なることが一般的です。こうした複雑な条件をシステムで管理できるかどうかが、法人EC成功のカギとなります。Shopifyのような柔軟なプラットフォームであれば、会員タグや顧客グループごとに価格を設定することも可能です。

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ECの法人取引に向いている業界一覧

ここからは、実際に法人取引のEC化が進んでいる、あるいは適性の高い業界を具体的に紹介します。自社の事業領域と照らし合わせながら、参考にしてください。

消耗品・定期補充系の業界

飲食店やオフィス、宿泊施設などで日常的に使われる消耗品は、法人ECと非常に相性の良い商材です。

具体例

  • 飲食店向け業務用食材・包材(使い捨て容器、ラップ、調味料など)
  • オフィス用品・備品(コピー用紙、文具、トナーなど)
  • 清掃・衛生用品(洗剤、ペーパータオル、マスクなど)
  • ホテル・宿泊施設向け消耗品(アメニティ、リネン類など)

なぜ法人ECと相性が良いのか

これらの商材は、使用頻度が高く、定期的に同じものを注文する必要があります。電話やFAXで毎回発注するよりも、ECサイト上で過去の注文履歴を確認しながら再注文できる方が、発注側・受注側ともに圧倒的に効率的です。

また、まとめ買いによる割引設定や定期配送の仕組みを導入することで、取引先の利便性を高め、継続率の向上にもつながります。BtoCのように新規顧客を追いかけるのではなく、既存顧客の再注文を自動化・効率化できる点が、法人EC最大のメリットといえます。

現場・店舗で使う業務用資材

建設現場や工場、自動車整備工場など、プロフェッショナルな現場で使われる資材も法人EC向きです。

具体例

  • 建設・設備資材(工具、金物、配管部材など)
  • 工場・製造業の副資材(梱包材、保護具、消耗工具など)
  • 自動車整備関連(オイル、パーツ、ケミカル用品など)

型番・規格・納期が重要な世界

これらの業界では、型番や規格が明確に決まっており、「間違えずに早く届けてほしい」というニーズが強いのが特徴です。電話やFAXでは聞き間違いや記入ミスが発生しやすく、ECサイト上で型番検索や過去注文の参照ができる環境は、ミス防止と時間短縮の両面で大きな価値を持ちます。

また、納期の目安や在庫状況をリアルタイムで確認できるようにしておくことで、取引先の信頼を獲得しやすくなります。営業担当者が毎回在庫確認の電話を受ける負担も減り、より戦略的な営業活動に時間を使えるようになります。

プロ向け商材(専門職向け)

特定の専門職が使用する商材も、法人ECに適した分野です。

具体例

  • 美容室・サロン向け商材(シャンプー、トリートメント、カラー剤、器具など)
  • ペットショップ・トリミング用品(業務用フード、ケア用品、トリミング道具など)
  • 医療・歯科の周辺商材(衛生用品、事務用品、備品など ※法規制対象外のもの)

プロユーザーのリピート購入を支える

専門職の現場では、信頼できるブランドやメーカーの商品を継続的に使用する傾向があります。一度取引が始まれば、長期的な関係が築きやすいのが特徴です。

ECサイトでは、会員ごとの購入履歴を活用したレコメンドや、定期購入プランの提案が可能です。また、新商品のサンプル提供や技術情報の発信など、単なる販売だけでなく、プロユーザーとの関係構築にも活用できます。

ユニフォーム・備品・チーム向け商材

企業や団体がまとめて購入する商材も、法人ECの得意分野です。

具体例

  • 制服・作業着(企業、飲食店、工場などの業務用ウェア)
  • 学校・自治体・企業備品(イベント用品、防災用品など)
  • ノベルティ・名入れ商品(企業ロゴ入りグッズ、記念品など)

まとめ買い・追加注文に強い

ユニフォームや備品は、初回にまとまった数量を購入し、その後も追加注文や買い替えが発生します。過去の注文内容(サイズ、デザイン、数量など)をECサイト上で管理しておけば、追加発注時のやり取りがスムーズになります。

名入れやロゴ入れなどのカスタマイズが必要な場合でも、注文フォームやアップロード機能を活用することで、メールや電話でのやり取りを減らし、ミスを防ぐことができます。

ブランド直卸(D2C×BtoB)

自社ブランドを持つメーカーが、小売店や飲食店に直接卸すスタイルも、法人ECの有効な活用法です。

具体例

  • 食品・飲料ブランドの卸(地域の飲食店、小売店向け)
  • 雑貨・アパレルの小売店向け卸(セレクトショップ、専門店向け)
  • 化粧品・健康食品ブランドの卸(サロン、クリニック向け)

展示会後の受注ECとしての活用

展示会や商談会で名刺交換をした取引先候補に対して、その後の発注導線としてECサイトを用意しておくことは非常に効果的です。営業担当者が毎回見積や受注対応をするのではなく、卸専用のECページで価格や最小ロットを提示し、オンラインで受注できる仕組みを作ることで、営業効率が大きく向上します。

パスワード保護や会員制にすることで、一般消費者には見えない卸価格を設定でき、既存の小売店との関係を守りながらBtoB ECを展開できます。

逆に法人EC化が難しい業界・注意点

すべての業界や商材が法人ECに向いているわけではありません。以下のようなケースでは、EC化のハードルが高くなる場合があります。

完全オーダーメイド・受注生産

毎回仕様が異なる商品や、顧客ごとに設計が必要な商材は、オンライン上での標準的な注文フローに乗せにくい傾向があります。ただし、見積依頼フォームや相談導線を用意することで、問い合わせのハードルを下げ、営業の入り口として活用することは可能です。

法規制が重い商材

医薬品や特定の化学薬品、金融商品など、法律で取り扱いが厳しく制限されている商材は、EC化自体が難しいか、専門的な対応が必要になります。業界特有の規制を理解したうえで、慎重に設計する必要があります。

特殊配送・大型物流が必要な商材

大型機械や重量物、温度管理が必要な商品など、配送に特別な手配が必要な場合、標準的なEC機能だけでは対応しきれないことがあります。こうした商材でも、事前相談や配送条件の個別調整を前提とした「半EC化」は可能です。

重要なのは、「EC化できない」と諦めるのではなく、「どこまでをオンラインで完結させ、どこから人が対応するか」を明確に設計することです。

自社商材が法人取引ECに向いているかのチェックリスト

自社の商材やビジネスモデルが法人EC向きかどうか、以下のポイントでチェックしてみてください。

  • 同じ商品を月1回以上購入する法人顧客がいる
    定期的な再注文が発生する商材は、EC化による効率化の効果が大きい。
  • まとめ買いや大口注文が発生している
    ロット・ケース単位での購入がある場合、ECでの価格設定や在庫管理がしやすい。
  • 価格条件が取引先ごとに異なる
    顧客グループごとに価格を変える必要がある場合、法人EC向けの設計が必要。
  • 営業・FAX・電話での受注がまだ残っている
    アナログな受注業務が負担になっている場合、EC化による業務効率化の余地が大きい。
  • 商品の型番や規格が明確
    カタログ化しやすい商材であれば、オンライン上での選択・検索がしやすくなる。

これらに複数当てはまる場合、法人ECの導入を検討する価値は十分にあるといえます。

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Shopifyで法人取引ECを始めるときの考え方

Shopifyは、中小企業が法人取引ECを始める際の有力な選択肢です。ここでは、導入時に押さえておきたい基本的な考え方を簡単に紹介します。

会員制・価格分岐の設計

法人取引では、取引先ごとに価格や条件が異なるのが一般的です。Shopifyでは、顧客タグや顧客グループを活用することで、会員ごとに表示価格を変えたり、特定の顧客だけがアクセスできる商品ページを作成したりできます。

また、パスワード保護やB2Bチャネル機能を使えば、一般消費者と法人顧客で完全に異なるストアフロントを用意することも可能です。

掛け払い・見積導線の整備

法人取引では、クレジットカード決済だけでなく、請求書払い(掛け払い)への対応が求められることが多くあります。Shopifyでは、外部の決済サービスと連携することで、掛け払いや後払いに対応できます。

また、見積依頼フォームや問い合わせ導線を用意しておくことで、価格交渉が必要な取引や初回取引のハードルを下げることができます。

営業×ECの役割分担

法人ECは「営業をなくすもの」ではなく、「営業を効率化し、より価値の高い活動に集中させるもの」です。既存顧客の再注文はECで自動化し、新規開拓や関係構築には営業担当者が注力する、といった役割分担を明確にすることが成功のポイントです。

ECサイトを「営業ツールの一部」として位置づけ、営業活動と連動させる設計が重要になります。

まとめ|法人取引は「向いている業界×設計」で成果が変わる

法人取引のEC化は、業界や商材の適性と、システム設計の両方が揃って初めて機能します。

消耗品や資材、専門職向け商材など、繰り返し購入される商品や大口注文が発生する業界では、ECによる効率化の効果が大きく、取引先の満足度向上にもつながります。一方で、完全オーダーメイドや法規制が厳しい商材では、EC化のハードルが高くなる場合もあります。

重要なのは、「ECサイトを置けば自動的に売れる」という考え方ではなく、自社の商材特性や取引先のニーズに合わせた設計を行うことです。会員制の仕組み、価格設定、決済方法、営業との連携など、法人取引ならではの要素をしっかり組み込むことで、売上・利益・業務効率のすべてが改善する可能性があります。

「自社の商材は法人ECに向いているのか」「Shopifyでどこまで実現できるのか」といった疑問をお持ちの方は、まずは専門家に相談してみることをおすすめします。適切な設計と運用体制があれば、法人取引ECは確実に事業の成長を支える基盤となります。

よくあるご質問

自社商材が「法人取引ECに向いているか」どう判断すればいいですか?

まずは、継続購入が起きているか大口(ロット・ケース)で動くかを確認してください。具体的には「同じ商品を月1回以上買う法人がいる」「まとめ買いが発生している」「取引先ごとに価格条件が違う」「FAX/電話などアナログ受注が残っている」「型番や規格が明確でカタログ化できる」といった条件に複数当てはまるほど、法人EC化の費用対効果が出やすいです。

Shopifyで法人取引をやるなら、会員制や価格分岐はどう作るのが基本ですか?

基本は、法人顧客を見分ける仕組み(会員制)取引先別の価格・閲覧範囲をセットで設計します。Shopifyでは顧客タグ/顧客グループを使って、会員ごとに表示価格を変えたり、特定顧客だけが見られる商品ページを用意できます。卸価格を一般ユーザーに見せたくない場合は、パスワード保護やB2Bチャネル機能で、法人と一般でストアフロントを分ける設計も選択肢になります。

オーダーメイド商材や特殊配送が必要でも、法人EC化できますか?

できます。ただし「全部をオンラインで完結させる」より、半EC化の発想が現実的です。たとえば、仕様が毎回変わる商材なら、購入ボタンではなく見積依頼フォームや相談導線を用意して“営業の入口”として使う方法が合います。特殊配送や重量物なども同じで、EC側では条件整理と問い合わせまでを担い、最終調整は人が対応する形にすると進めやすいです。ポイントは「どこまでをオンラインで完結し、どこから人が対応するか」を最初に決めることです。

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